房室中隔欠損症の手術と入院中のお話し【ダウン症のしょま君】

  • 2021年2月14日
  • 2021年2月17日
  • 合併症

房室中隔欠損症 根治手術 当日

事前の検査などがあり、オペ2日前(結婚記念日!)から入院付添が始まりました。
オペ日前日には心臓外科医の先生からリスクについて今一度説明を受け、心がザワザワ落ち着かない心持ちになったのを憶えています。

そして当日。
前々日からの付添は私がしていたので、8時過ぎ頃に妻が病院に到着し、術前の起きているしょま君に再会。
その後、オペ室へ連れて行かれてしまいました。

手術時間中は待合室から基本離れられないので、ひたすら待つのみ。
義母に預けた上の娘のことも気になりつつ、手術室でがんばっているしょま君の帰りを待ちます。
待合室には手術予定時間が表示されているモニターがあり、予定通りに進んでいるのかが簡易的に確認できますが、もちろん中の様子がわかるわけではなく、何もできずただただ待つしかありません。祈るしかありません。

我が子の胸にメスが入り、人工心肺で命を繋ぎながら、小さな臓器を治してもらっている…
その状況を想像するだけで胸がえぐられるような思いになり、1時間に1回くらいは悪い想像をしてしまいました。
(きっと私以上に不安な気持ちを抱えている妻が横にいる手前、「きっと大丈夫!」と平気そうに装ってはいましたが。。。)

途中オペ担当医の先生のうちの1人が待合室に来てくれて、肝心のオペ自体は完了し、後処置の最中であることを伝えてくれたため、深く安堵したことを憶えています。

細かい時間まで記録していなかったので曖昧な記憶ですが、その後オペが完全に終わったことを告げられたのが14時半とか、そのくらいだったような気がします。
そして別室で担当医の先生からオペやその後に関するお話しを聞き、16時頃には妻は娘のいる自宅へ帰り、バンディング手術のとき同様、術後の容態急変等のリスクに備え、翌朝まで病院のすぐ近くにある提携の宿泊施設で過ごしました。
幸いにも翌朝まで何事もなく、私も帰路につくことができました。

房室中隔欠損症 50日間に及ぶ入院

術後しばらくの間は医師や看護師の管理下で診る必要があるとのことで、我が家のダウン症児しょま君はPICUに入りました。
その間は完全看護なので、付添入院は必要なく、私と妻と娘は一緒に家で過ごすことができました。
しかし、一般病棟に移ったら、その後退院まではしばらく私か妻のどちらかがしょま君に付添入院しなければなりません。
いつから付添が必要になるのか…ドキドキとそのときを待ちましたが、その時は以外にも早くきました。
手術があったのが2月13日ですが、17日にはHCUに移り、19日には一般病棟に移ることになりました!思っていたより早かった!
それだけ子の回復力が高いこと、そして経過が良好なことは喜ばしいことではありましたが、「もう付添開始か!!」と思ったことも事実です。。

妻のお母さんにサポートしていただくことができたこともあり、付添は木曜の仕事が終わり次第私が病院入りし、金・土・日・月曜の夕方頃までしょま君と共に過ごし、妻と交代。
妻が月曜夜〜火・水・木曜の夜に私が来るまでを付き添ってくれました。
上の娘は幼稚園に通い始める前だったので、平日はお家でばあば(義母)と過ごしてもらいました。
娘にはたくさん我慢させたし、お義母さんにはかなり力を借りることになり、感謝感謝の日々でした。

そんなこんなで、一般病棟での生活が始まり、順調に回復すると思われたしょま君ですが、2月23日にHCUに逆戻りすることになります。
その理由は、術後の胸に水が溜まり始めてしまったこと。
乳糜胸(にゅうびきょう)と呼ばれるもので、房室中隔欠損症の手術で傷ついたリンパ管から出てしまう水分が胸の中に溜まってしまうことが多々あるようです。
利尿剤で水分を外に出すような内科的な対応も検討されたようですが、長引くリスクを考え、胸にドレーン(水分を抜く管)を挿し、直接的に胸水を体外に出す方針で治療を進める判断が下りました。
順調な回復を辿っているように感じていたのでショックな展開でしたが、1日も早い回復を目指すための選択とのことで、従う以外に選択肢はありません。

HCU一時預かり期間が10日程過ぎた3月5日にようやく一般病棟へ帰ってくることができ、再度付添入院がスタート!
右胸にはドレーンが繋がれたまま、左腕には点滴が留置され、ミルクは摂取量に制限があり、入浴もできず。
制限だらけな状態ではありましたが、一緒に過ごすことができ、笑顔も見ることができるので、付添再開は嬉しかったです。

その後、胸水の様子を見つつ、3月9日にようやくドレーンを抜いて良いとの判断が下り、抜去してもらうことができました。
水は完全に止まっていないとのことでしたが、溜まらずに体内で吸収される程度だろうと見込まれてのことのようでした。

ミルクの制限を徐々に軽くし、利尿剤は継続して飲みつつ、少しずつ胸水が溜まらなくなっている様子を確認しながら、離乳食が再開になり。
点滴やサチュレーション等の数値を診るモニターなんかも外れていき、ようやく退院できたのが3月30日。
入院してちょうど50日間になりました。本当に本当に長かった…。
房室中隔欠損症の手術は、術後の乳糜胸(にゅうびきょう)と呼ばれる胸水との戦いでもありました。

長くなりましたが、こうして我が家のダウン症児しょま君の房室中隔欠損症 根治手術と術後入院は幕を閉じました。

さいごに

手術後は週1回の外来で様子を見ていただき、2週に1回に延び、1ヶ月に1回に延び、術後1年経った今では3ヶ月に1回くらいになりました。
少し血液の逆流が残っているようで、これがあまりにひどくなると再手術なども可能性があるようですが、今すぐにという状況ではないようです。
通院は大変ですが、お世話になっている循環器の先生が親身に対応してくださるので、毎度成長を見ていただくのを楽しみに通っているような節もあります。

ダウン症と合併症をもって生まれたしょま君ですが、お医者さんをはじめとする医療従事者の皆さんや、その他色んな方々にお世話していただいて、今日も元気に過ごせています。
我が家のダウン症児しょま君の治療や手術・入院のお話しが、同じ境遇のご家族やダウン症のお子さんの参考になることを願っています。

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