房室中隔欠損症の手術と入院中のお話し【ダウン症のしょま君】

  • 2021年2月14日
  • 2021年2月17日
  • 合併症

妊娠期のスクリーニング検査で心臓に穴があることが判明し、生まれる前から「生後すぐではないにしても、ある程度身体(心臓)のサイズが大きくなったタイミングで、心臓の手術が必要でしょう」と言われていた我が家のダウン症児しょま君。
生後1ヶ月と1才2ヶ月の2回、開胸手術を経験した「房室中隔欠損症の手術と入院のお話し」について、書いてみたいと思います。
同じ境遇で、今からお子さんに手術が必要となるご家族の参考になれば幸いです。

房室中隔欠損症とは

心臓は通常、右心房・左心房・右心室・左心室 4つの部屋に分かれています。
つまり、4つの部屋の間には壁があるということなのですが、房室中隔欠損症は心房と心室の間の仕切りがない(壁に穴が空いている)病気です。
しょま君のように、ダウン症と合併することの多い心臓病で、肺への負担が大きくなりすぎる前に手術をする必要があるケースもあります。
※場合によっては心臓の壁の穴が自然に塞がり、手術を必要としないこともあります。

(1)心臓→身体全体
(2)心臓→肺
血液を送り出す強さ(圧)は、本来(2)より(1)がはるかに強いのですが、房室中隔欠損症は心房・心室の間の仕切りがないことで(2)心臓→肺 へ血液を送り出す強さ(圧)が普通より強すぎることで、肺動脈(心臓→肺に血液を送る血管)に負荷がかかって損傷してしまったり、肺に血液が送られすぎて呼吸が上手くできずに、悪化すると心不全症状に繋がったりするリスクもあります。

この記事のはじめに書いた通り、しょま君が妻のお腹の中にいるときから、しょま君が房室中隔欠損症(心臓に穴がある)ということがわかっていました。
お医者さんからそのことを告げられてから色々調べる中で、ダウン症と合併する可能性が高い病気であると知ることになりますが、しょま君が生まれるまでは我が子の心臓に穴があるという事実も、ダウン症かもしれないという可能性もどこか他人事のような感じで、「きっとダウン症児ではないだろう」「心臓のことも、お医者さんの判断通り治療すれば、大丈夫なのだろう」という感覚でいました。

房室中隔欠損症の手術と入院①

2018年12月5日に生まれたしょま君ですが、産後退院できたのは生後2ヶ月を迎える一歩手前の2019年2月2日でした。

生後1ヶ月を迎えて少し経った1月15日に「肺動脈バンディング(肺動脈絞扼術)」という手術を受けました。

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心臓→肺へ送り出される血液が通る血管(肺動脈)にテープを巻いて、血液が送られる圧や量を調整することによって、血管そのものへの負担や肺への負担を減らすことを目的とした、房室中隔欠損症に対する対処療法的手術です。
心臓へ直接的に行うオペではないものの、胸にメスを入れて人工心肺に切り替えた上で行われるものなので、術前にはそれなりのリスクの説明もありました。

しょま君は当日午後13時頃からオペ室に入り、出てきたのが確か16時過ぎくらいだったように思います(ここ記録しておらずちょっと曖昧です)。
術後に容態が急変する可能性もゼロではないため、手術翌朝までは病院近くで待機が必要とのことで、提携の宿泊施設に一泊しました(上の娘が家にいるため妻は帰宅しました。不安な夜だった…)。
翌朝お医者さんからの容態説明を聴きに向かい、しょま君の状態は安定しているとの説明を受け、とても安堵しました。

そんなわけで、房室中隔欠損症を持って生まれたしょま君は、生まれて→手術があって→退院するまでに、NICU→GCU→PICU→HCUと「コウノドリ(漫画・ドラマ)」で聞いたことのあるような一通りのお部屋でお世話になり、産後の入院生活を終えました。

房室中隔欠損症の手術と入院②

今度は房室中隔欠損症の根治手術の話です。
まずはオペ日が決まるまでの経緯について。

生後間もない頃から、「身体の大きさ(=心臓の大きさ)がある程度成長したら、心臓の穴を閉じる手術をします」との予告は受けていました。
その「ある程度」の目安として聞いていたのが、体重が7kg台くらいになった頃。
とはいえそれはあくまで目安で、状態が悪く心不全症状が出るようなことがあれば、早めることも可能性として十分にあると。
逆に、状態が落ち着いているようならもう少し引っ張る可能性もあると。
加えて、病院側の手術予定の空き状況にもよるとのことで(急を要するオペが立て込んで後回しになったり、予定していたオペが延期になった枠に急遽入ったり)、とにかく手術日が決まるまでが何だか長かったです。

産後の退院以降は1ヶ月1回は定期検診のため外来受診に通っており、生後8ヶ月頃の夏の検診時には「秋頃にも手術になるかもしれないから、心の準備はしといてね〜」と言われ、その後なかなかお声がかからず。
延び延びになって、1才になる2019年12月頭には「もうすぐかな〜。年内か、年明けくらいになるかな。また近日連絡するから。」と言われ、結局年内には予定が入れられなかったと連絡を受け、年を越すもその後なかなか連絡はなく、ようやく1月下旬頃に電話があり、オペ日が決まります。
一度2月5日ですと言われた直後に再度連絡があり、2月13日に変更となりました。
なかなかオペ日が決まらない上に、一度決まった日程の変更まであり、それだけ急を要する手術が必要な子どもが多いんだろうと思いました(逆に房室中隔欠損症は、容態が安定していれば少し時期が後ろに延びても大丈夫なのかも?)。
そんなわけで、手術の日がなかなか決まらず家族の予定が立てにくい期間が数ヶ月に渡り続きましたが、ようやく房室中隔欠損症の根治に向けたオペ日決定に至りました。

余談になりますが、手術前の入院日となった2月11日は、私と妻の5回目の結婚記念日(木婚式の日)でした。
前倒しでお祝いはしましたが、何ともバタバタした、家族の絆が試されているようにも感じられる結婚記念日になりました。