我が家にダウン症児しょま君が生まれてから、家族や親戚、友達(友人・知人)、職場など、生まれた息子がダウン症であることを報告(カミングアウト)する機会が何度もありました。
今となっては「しょま君はダウン症なんだ〜」と結構軽い感じで言えるようになりましたが、しょま君が生まれて間もない頃は「どんな反応をされるんだろうか」「気を遣わせたらどうしよう」なんてことを考えて、報告(カミングアウト)するのに結構勇気が必要でした。
そんなわけで、息子のダウン症について家族へ報告したときのこと、友達(友人・知人)に子どもがダウン症だと打ち明ける(カミングアウトする)ことに関して、しょま君が生まれた当時のことも振り返りながら書いていきたいと思います。
ダウン症を家族(親・兄弟・親戚)に報告
先天性心疾患(房室中隔欠損症)が先にわかっていた状況だったため、ダウン症児が生まれる可能性があるということに関しては、出産前からわかっていました。
ただ、むやみに不安だけを煽るようなことをするメリットはないと考えたので、心疾患について出産前に親へ報告をした際には、ダウン症の可能性があるということには触れませんでした。
親戚への心疾患の報告は産前には直接しておらず、親づてに少しだけ伝えていたようでした。
兄弟への報告に関しては、兄がOT(作業療法士)として働いているため疾患や障がいに関する知識があり、房室中隔欠損症について話しをした際に、ダウン症の可能性について理解しているような言葉のやり取りがありました。
出産前~産後検査結果がわかるまでは、兄以外の家族にダウン症の可能性について話をすることはしませんでした。
医師からダウン症の告知を受けてから、家族や周囲の人に必要なタイミングで報告していく必要があるねという話を妻と帰りの車の中でしていました。
妻は、自分の子どもがダウン症児だということを友達に伝えるのに勇気がいると話していました。
どのように受け止められるのか、不安な気持ちを持っていたようです。
自分が逆の立場(友達から子どもがダウン症だとカミングアウトされる立場)だとしたら、どう言葉をかけたら良いのかきっと迷ってしまうと思うとのことでした。
ダウン症児の親御さんのブログを読んでいても、知人にカミングアウトした際の反応や言葉によって傷ついた経験をされた方が多くいらっしゃり、妻の不安な気持ちに私も共感できました。
ただ私は、どちらかというと家族への報告の方が不安でした。
兄は別として、自分の親、義父母や義兄弟へ伝える際に、どのような言葉で、どのようなトーンで話すのが正解なのか、どんな反応をされるのか、その後私たち夫婦や息子に対してどのように接せられるのか。
事実を受け止めるのに時間がかかったとしても、最終的にはきっと「大変だろうけど、できることがあれば支えるからね」といった言葉で話してくれるだろう(実際にみんなそうだった)ことはどこかで期待はしていたものの、やはりどのように感じ、どんな反応をされるのかは不安だったし、何とも言えない怖さがありました。
告知を受けたその日に親や義母には報告をしましたが(兄も。義父には告知の翌日)、実際に報告するまで何度も頭の中でイメトレしました。
あんまり深刻なトーンで話してもどんより暗くなってしまうし、かと言って明るく報告する内容ではないように感じるし…。
身内への報告も、友人知人へのカミングアウトとはまた違った難しさがあるように感じます。
我が子のダウン症を友達に報告(カミングアウト)するか否か
妻が不安に思っている、自身の友達への報告(カミングアウト)に関して。
そもそも伝えた方がよいのか、それとも伝えなくても良いのか、当事者それぞれでも意見が分かれるかもしれません。
私見ですが、自分自身が伝えるメリットを感じられる相手・タイミングであれば、伝えればよいのではないかと思います。
もちろん、そうでなければ伝えないことも選ぶことも必要なのかなぁと。
報告できる(したいと思える)相手かどうか、現時点での私なりの判断基準です。
報告するシチュエーションやタイミング、場の選び方にも難しさは感じています。
1対1だとどうしても報告に対するリアクションを必ず相手に求めてしまうことになってしまいます。
それが難しそうな相手には、複数名で話ができる場を選んでグループに対して伝える方法をとったり、今はSNS利用者の多い時代ですから公開範囲を報告したい友達限定に設定した上で、SNS上で第一報告をする方法をとることも選択肢のひとつとして考えています。
ダウン症を友達に報告せずに気付いてもらう方法は?
妊娠したことを周囲に暗に伝える(気付いてもらう)方法としてマタニティマークががあります。
運転免許証をとりたての人が周囲にそのことを気付いてもらうために、初心者マーク(若葉マーク)があります。
それならば、ダウン症児を育てていることを暗に示し、友達に報告せずに気付いてもらえるようなマークがないものか?と思っていたら、こんなすてきな取り組みをしている方を見つけました。
病院や街中でダウン症のお子さんを見かけた時に本人、ご家族に声をかけたいと思っても、なんて声をかけよう。そもそも声をかけてもいいのか。相手は望んでいないかもしれない。いやもしかしたら待っているかもしれない。。。そんなことを考えてたら結局いつも声をかけれずに終わってしまいました。
なにか気持ちがわかるものがあれば、、意思表示を形にできないか。
仲間を見つけたい。見つけてほしい。声をかけてほしい。繋がりたい。
そんな想いをこめてマークを作りましたマークのキーホルダーをつけていれば、仲間が声をかけてくれるかもしれません。
誰か私をみつけてと、ダウン症の娘を生んだ時に私が思ったことです。
マークには見つけてくれてありがとう、とアンサーメッセージにしています。
マークをつけなくても、どこかで同じマークを持っている仲間がいる。誰かと繋がっている。それだけでワクワクしませんか。
私たちを繋ぐマーク。私たちだけのマーク。
このマークが一般化したら、ダウン症子育て中ということを友達に報告せずに気付いてもらえるかもしれないと思いましたが、マークを作った方の意図は違う部分にあるようで、ホームページには以下のようにその想いが書き添えられていました。
このマークはダウン症の家族を繋ぐものであってほしいです。仲間を見つける為のもので決してダウン症のマークでもヘルプマークでもありません。つけてないから繋がりたくない人でもありません。持っていてくれるだけでいいです。このマークで誰かと誰かが繋がってくれたらうれしいです。
家族や友達への報告に悩む方向けに書いているブログ記事内で、「ダウン症を友達に報告せずに気付いてもらう方法」を書くはずだったので本旨とはズレてしまいましたが、きっとこの記事にたどり着いてくださった方はダウン症育児が始まったばかりで、紹介した「ファインドミーマーク」を必要とする方なのではないかと思ったので、取り上げてみました。
さいごに
自分の子どもがダウン症だったことを受け入れることにすら時間がかかる中で、周囲にもそのことを理解し受け入れてもらうために報告(カミングアウト)する必要性も感じていて、精神的に大変だったな〜としょま君が生まれたばかりの頃を思い出しながら書いてみました。
時間が解決してくれる気持ちも大いにあったので、「何が何でも友達には伝えなくちゃ!」と焦る必要はなかったのかな〜と今となっては思う部分もあります。
お子さんのダウン症について、心の負担の少ない一番良いカタチで周囲(家族や友達)への報告ができるように、心から願っています。
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