医療的ケア児支援法をわかりやすく解説!何が変わる?課題は?

我が家にダウン症児しょま君が生まれてから、同じダウン症の子どもがご家庭にいるママさん・パパさんのアカウントをインスタでフォローして、たくさんのことを勉強させてもらってきました。
そんなダウン症育児をしていらっしゃる仲間(と呼ばせてください)の中には、合併症があって日常的に医療的なケア(たん吸引・人工呼吸器・経管栄養・ストーマ等)が必要な子どもを育てている方も多くいらっしゃいます。
ダウン症児(合併症として医療的ケアが必要な病気を持っている子)以外にも医療的ケア児は多くいて、この10年間でその数は倍増しているそうです。

その子たちの成長を支える、その子たちを育てる親・家庭を支援する法案である「医療的ケア児支援法」がこのたび可決され、2021年9月の施行に向けて動き出すことが決まったというニュースを、インスタ仲間のたくさんの方々が取り上げていました。

この法案が、医療的ケアが必要な子を育てる家庭にどのような支援をもたらすのか、何が変わるのか、法案が実際に施行される上で何が課題になりそうなのか。
そんな内容をわかりやすくまとめて、書いてみようと思います。

しょま君パパ

私は専門家ではなく、あくまで調べて内容をまとめたブログになります。誤りのないように最大限努めていますが、万が一事実と違う内容がありましたら、ご指摘いただけたら幸いです。

医療的ケア児支援法をわかりやすく解説!

この法律は、医療技術の進歩により医療的ケア児が増加し、その心身の状況に応じた適切な支援を受けられるようにすることが重要な課題となっていることに鑑み、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、医療的ケア児及びその家族に対する支援、医療的ケア児支援センターの指定等について定めることにより、医療的ケア児が心身ともに健やかに成長することができる社会の実現を図り、あわせて医療的ケア児の家族の離職の防止に資し、もって安心して子どもを産み、育てることができる社会の実現に資することを目的とすること。

引用:「医療的ケア児支援法案」要綱骨子案

上記内容からもおわかりいただけると思いますが、医療的ケア児支援法の目的をわかりやすく2つのポイントにまとめると
①医療的ケア児を子育てする家族の負担を軽減すること
そして、これを実現することで、結果として
②その家族の離職を防止すること
このような具体的な目的のために施行されます。

障害の有無、医療的ケアの必要有無に関わらず、誰もが安心して子どもを産むことができる、そして育てることができる社会を目指した法案だと言えるでしょう。

医療的ケア児支援法で何が変わる?

では、医療的ケア児支援法が施行されることで、具体的に何が変わるのかを見ていきましょう。

1.医療的ケア児への支援が努力義務から責務に変わる

今までの法律では、努力義務だったため、医療的ケア児への支援を自治体がやらなくても特段の罰則等はありませんでした。
しかし、強制力の強く働く「責務」になることで、支援体制が改善されていくことが期待できます。

2.医療的ケア児支援のための予算が配分される

今回の法案の施行に伴い、各自治体への予算配分がなされます。
強制力が働く中で、一定の予算が確保されることで、支援体制の地域間格差がなくなっていくことが期待されます。

【実現が期待されること①】居住地域に関係のない支援

3.医療的ケア児の受け入れ先の拡充・受け入れ先への適正な人員配置

保育(保育所、認定こども園 等)・教育(幼稚園、小中学校、高校、特別支援学校 等)・放課後(児童クラブ/学童、放課後等デイサービス)において、医療的ケア児が家族の付添いを必要とせずに通えるように、看護師等の専門的な人員を各所に配置するために、上記予算が使われるようです。

【実現が期待されること②】年齢による切れ目のない支援

4.医療的ケア児支援センターの配置

今までは住んでいる市区町村等の役所に行き、わからないながらに質問や確認を行うも、福祉課や保育課等部署間でたらい回しにされることも多かったと聞きます。
そういったことがなくなるような、医療的ケア児の育児を行う家族の困りごとをワンストップで対応できる組織ができます。

【実現が期待されること③】個々の状況に応じ、関係機関等の連携がとれた支援
【実現が期待されること④】医療的ケア児とその保護者の意思の尊重
【実現が期待されること⑤】児童等でなくなった後にも接続した、途切れのない支援

医療的ケア児支援法の課題は?

医療的ケア児支援法が施行されることにおいて、課題となる事項について考えてみます。
この点については、実質的な人手がどれだけ確保できるのかが課題になりそうです。
必要な予算が確保されたとしても、担い手不足は簡単に解消できる課題ではなく、人員を増やしていくために別途施策が必要となることでしょう。
医療的ケアや専門的な対応を各所で行える人員を増やすためには、手技的なスキルや相応の知識を獲得するための研修等も必要なのではないかと思います。

しょま君パパ
医療的ケア児支援センターは、関連業務に従事する人に対する情報提供や研修を行う機関としての側面も持つようです。この課題解決を含め、法案の施行自体の大きな役割を担う柱であることは間違いなさそうです。

さいごに

いかがだったでしょうか。
保護者が24時間付きっきりでケアを行わざるを得ない状況、そのために就労の機会を失ってしまう現状を、地方自治体と国が連携して改善し、医療的ケア児を育てる家庭が少しでも良い形で育児を行えるように。
医療的ケア児支援法の可決が、そのような方向へ進む大きな一歩になったのだということを、この記事を通して少しでも知っていただくきっかけになれば嬉しいです。

さいごまでお読みいただき、ありがとうございました。

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