ダウン症に肥満が多いのはなぜ?原因や予防方法について調べた

  • 2021年11月2日
  • 2021年11月2日
  • 雑記

たくさん食べても太りにくい体質の痩せ型の人っていますよね。
逆に、運動不足や食べすぎですぐに体型に出てしまう肥満型の人もいると思います。

成人した(それに近い10代後半くらいの)ダウン症の方を思い浮かべると、身長が高くないことも手伝っての印象かもしれませんが、少しまるっとした見た目、肥満傾向にあるだろう体型の方が多いイメージがあります。

太っていることが悪いことでは決してありませんが、健康のことを考えると肥満状態から脱して、適正体重をキープできることが好ましいことは明らかでしょう。

我が家のダウン症児しょま君は現在2才10ヶ月。
まだまだ肥満が目に見えてわかるようなサイズ感ではありませんが、将来的に適正体重維持のために、肥満に気をつけなければいけないような時期がくるのだろうと思います。

大学などの研究機関による、「ダウン症児の肥満」に関連する研究事例がネット上で検索するだけでもいくつも見られるので、印象やイメージだけでなく、ダウン症の方が肥満傾向になりやすいことは事実としてあるようです。

そんなわけで今回は、「ダウン症肥満が多いのはなぜ?原因や予防方法について調べた」と題して記事を書いてみたいと思います。

※※※
■今回の記事で参考にしている文献
ダウン症児童生徒の肥満に関する実態調査 ~肥満のタイプ分類~
成長曲線からみたダウン症児における肥満とその支援
学童期ダウン症者の肥満と生活習慣
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ダウン症には肥満が多い?

まず、ダウン症の方に肥満が多いという説が本当なのかについてです。
結論からいうと、ダウン症者に肥満が多いのは本当でした。

冒頭に書いた通り、ダウン症児の肥満については過去にいくつもの研究論文が残されており、2000年のものと少し古めの研究事例の情報ではありますが、ダウン症児の肥満頻度は健常児の5倍というデータがあります。

しょま君パパ
たしかにダウン症児に肥満傾向の子が多いイメージはありましたが、まさか健常児の5倍とまでは思っていませんでした!想像よりも多い。。。

こうなってくると気になるのは、ダウン症児に肥満が多いことの原因・要因です。
ダウン症児にはなぜ肥満が多いのでしょうか。

ダウン症に肥満が多いのはなぜ?原因は?

ダウン症児に肥満が多い原因には、①ダウン症児が持つ特性による原因 ②環境(各家庭においての食習慣)による原因 がありそうです。
1つずつ見ていきましょう。

1.こだわりの強い特性

上記大別の①に当たる原因のひとつでしょう。
ダウン症には強いこだわりを持つ子が比較的多いとされており、食においても偏食傾向が強いことがあります。
ダウン症子育て中の親御さんのインスタを見ていても、「うちの子はパンしか食べない…」「白米オンリー」といった偏食傾向を持つお子さんの姿を見ることが結構あります。
炭水化物の過剰摂取は、肥満の原因になり得ますね。
我が家のダウン症児しょま君も納豆ゴハンLOVEな人なので(幸い他の食べ物もたくさん食べてくれますが)、肥満の原因の種を持っているかもしれません。

2.食べ物の丸飲み

ダウン症児の親御さんには、この丸飲みに悩んでいる方も多いのではないかと思います。
これも上記大別の①に該当します。

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よく噛んで食べることで満腹中枢が刺激され、食べすぎ防止になる(逆によく噛まない早食いは満腹感を感じる前に食べすぎてしまい、結果肥満に繋がる)ことは、健常者においても一緒です。
我が家のダウン症児しょま君も、納豆ご飯をあまり噛まずに丸飲みしてしまう傾向があるので、ここにも肥満の原因の種がありました。

3.低緊張

丸飲みに関する上記関連記事にも詳しく書きましたが、ダウン症者には低緊張という特性があります(大別①に該当)。
筋肉の張りが弱く、筋肉量の少ないため、ダウン症の方は一般的に基礎代謝が低い傾向にあります。
代謝が良いと少しの運動でエネルギーが消費されやすいのですが、逆に低いのでエネルギーが消費されにくく、結果的に脂肪が燃焼されず肥満に繋がってしまいます。

4.運動発達の遅れによる運動量の不足

これも大別の①に該当ですね。
運動量が少ない=肥満の原因になりやすい はわかりやすい原因かと思います。

5.家庭環境(食習慣)

これは大別上の②に当たります。
お菓子やジュースを多く与えるような習慣のあるご家庭においては、その習慣がそのまま肥満の原因となることは火を見るより明らかでしょう。

ダウン症児に肥満が多い原因は、書き出してみるとこんなにたくさんあることがわかりました。
これらの原因に対して、ダウン症児の肥満を予防できる方法はあるのでしょうか。

ダウン症の肥満に予防方法はある?

ダウン症児の肥満傾向について、小学校中学年段階からの肥満傾向が目立つという研究結果があります。

さらに、ダウン症児の肥満予防について考えていくときに、参考になりそうな研究データがありました。
ダウン症児の肥満について、4つのタイプに分類し、その内訳について以下のように割合化されています。

・肥満継続型 26%
・途中肥満型 19%
・変動型 13%
・非肥満型 42%

それぞれの分類について定義の詳細は割愛しますが、その名称からどのような分け方になっているかは何となくおわかりいただけると思います。

肥満の方向に進んでいくダウン症児には、幼少期からの継続して肥満傾向にあるタイプの子と、小学校中学年頃(もちろん個人差がありタイミングは前後すると思います)から肥満傾向に進んでいくタイプの子がいるわけですね。
いずれにしてもこれらのことを踏まえて、小学校中学年に至る前までに何かしらの予防を行う必要性がありそうです。

肥満に対する予防方法としては、肥満の原因となる状況を捉え、そのことに対処することです。
つまり、先の文章で触れてきた原因の中で、対処できる部分は何かを知ることから予防が始まると思います。

その答えはズバリ!
1.こだわりの強い特性 2.食べ物の丸飲み 5.家庭環境(食習慣) の3つに対する対処・取り組みが予防に繋がるものと考えます。

こだわりの強さは仕方がないにしても、どうしても食べたがる物以外に興味を向けてみる努力はできます。
食べ物を丸飲みしないように、言語聴覚士(ST)の先生による摂食指導に通って、食べ方・噛み方の練習を子どもと一緒にすることはできます。

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おやつやジュースを与えすぎないように、食習慣を改善する努力はできます。

このあたりの取り組みが、ダウン症児が肥満傾向に陥らないために行うことができる予防方法になりそうです。

さいごに

我が家のダウン症児しょま君はまだ3才足らずな小さな子どもだから、まだ肥満のことを意識に置くには早いだろうと思いながら情報収集してみましたが、早期予防のためにできること(丸飲みをしないような食べ方の訓練・摂食指導を受けること等)は今からでもあることがわかりました。

しょま君パパ
家族に美味しいものをお腹いっぱい食べてほしい!しょま君や娘が美味しそうに食べている姿を見るのが大好き!な気持ちがあるので、ついついたくさん食べさせちゃう場面も多々ありますが、子どもたちの将来の健康を守るためにも、肥満予防のことを今から少しだけでも意識の中に置いておきたいと思います。

 

さいごまでお読みいただき、ありがとうございました!

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